| |
|
| ◆ |
地域社会の状況 |
|
| |

我が国のいたるところで、少子高齢化が進行しています。周南市においても例外ではなく、1993年(平成5年)には15.2%だった高齢化率が、2009年(平成21年)には25.4%にまで上昇し、4人に1人が高齢者というきわめて高齢化の進んだ周南市となっています。また、国立社会保障・人口問題研究所の「日本の市区町村別将来推計人口」(2008年推計)によれば、2025年(平成37年)には、周南市の高齢化率は36%になる見込みとなっています。
さらに、市内のひとり暮らし高齢者の数も、2006年(平成18年)の5,247人から2011年(平成23年)には5,991世帯と、わずか5年間で約15%も上昇しており、これは、もっとも身近で機能する家族内の支援を受けることのできない人が、年々増加していることを意味するものです。
こうした少子高齢化の進行、核家族化や単身世帯の増加の中で、「ご近所」の人間関係が形成されず、地域の連帯感が希薄化し、地域社会の支え合いの脆弱化が見られます。しかも、地域社会における支え合いの脆弱化は都市部だけの現象にとどまらず、中山間地においては、若年層を中心とした人口流出により地域社会の構成員が減少し、特に限界集落をもつ地域では、地域社会の維持さえ難しい状況となっています。
一方では、ライフスタイルや社会との関わり方が多様化し、民生委員などの訪問を頑なに拒絶するひとり暮らしの高齢者が増えており、活動がしにくくなっているといった実態も報告されています。今後私たちのライフスタイルにあった新たな人間関係、地域関係をどのように構築していくか、地域社会で助け合うしくみをどのようにつくっていくか、新たな局面を迎えているように思えます。
こうした地域環境の変化の中、改正介護保険法や障害者自立支援法の施行、後期高齢者医療制度の導入によって、特に高齢者・障がい者の介護の分野においては、公的な福祉サービスは飛躍的な発展をとげてきたと言えます。しかし同時に、地域においては、公的な福祉サービスだけでは対応できない生活課題や、さまざまな問題を抱えていながら、現行の公的な福祉サービスで定められているサービス給付要件に該当しない「制度の谷間にある人」への対応、あるいは社会的排除や地域の無理解から生まれる問題などが、かえって皮肉にもクローズアップされることになりました。
たとえば、電球の交換やゴミ出しを頼める人がいない、買い物には行けても買った物を持って歩けない、ひとり暮らしが寂しい、話し相手がいないといった心の問題、被害の自覚なく不要なものを購入させられ続ける悪質商法の被害、子どもの遊び場の確保、孤立死や虐待、ドメスティックバイオレンスなどの深刻な問題、家族や友人など身近な人による支えが期待できない状態にある人々への対応、災害時に身体が不自由な人や幼児のいる家庭の避難に対応できるかなど、地域の中にはさまざまな課題が山積しています。
このような地域社会が抱える福祉課題に対応するために、厚生労働省は「これからの地域福祉のあり方に関する研究会」を発足させ、『地域における「新たな支え合い」を求めて〜住民と行政の協働による新しい福祉〜』(平成20年3月31日)を発表し、今後の地域福祉のありようを示しています。この報告書の中で、「新たな支え合い」について次のように述べています。
「公的な福祉サービスにあたるものは質・量ともにある程度整備されている」とした上で、しかし「制度の谷間」にあって、公的には対応できない問題があると認識するとともに、また、住民のニーズは多様であり、「そのすべてに公的な福祉サービスで対応することは不可能、かつ不適切」であるという見方を示しています。
具体的には、「ひとり暮らし高齢者などでゴミ出しや電球の交換のような軽易な手助けが必要な世帯」については「共助」でサポートできるのではないか。「観劇や墓参の付き添いなど」を希望する人に公的サービスで対応することは公平・平等の観点から適切とは言えないので「共助」でサポートできるのではないか。「孤立死のリスクのある人」への対応は、日常性の高いものであることから「共助」でできることが少なくないのではないか。さらに、児童虐待、高齢者虐待への対応や支援については、地域住民からの情報提供と見守りが不可欠ではないか、などといった方向性を示しています。
地域で発生する生活課題に対し、公的な福祉サービスだけでは対応することができないことが明らかになってきた今日、誰もが自分らしく安心して暮らせる地域社会にするために、基本的な福祉ニーズは公的な福祉サービスで対応する、という原則を踏まえつつ、地域住民が主体的に参加し支え合う、地域における「新たな支え合い」の活動に、大きな期待が寄せられているのです。 |
| |
|
| ◆ |
協働の地域福祉をデザインします |
|
| |
誰もが自分らしく安心して暮らせる地域社会にするためには、もはや行政施策だけでその実現が困難とわかった今日、住民と行政が、共に自治を担う主体として、協働して取り組んでいくことが必要になってきました。
期待されている「新たな支え合い」とは、支え合いの担い手として住民が主体的、意図的に参加しようとの合意を形成し、地域の福祉課題の解決のために、さまざまな人々や関係機関・団体と協力しながら、協働の福祉活動を起こしていくということです。住民主体、住民参加は、地域福祉推進にあたっての大きな条件のひとつです。地域福祉推進の根源的な推進力となるのは地域住民であり、その意識と行動がその地域の福祉力を決定づけるものと考えられます。
さらには、社会福祉施設、医療・教育関係団体、NPO・ボランティアグループ、福祉サービス事業者、企業なども合わせて、各々の責任と役割を果たしつつ、協力し合って広がりのある活動ができるしくみづくりが必要です。これからは、日本の社会福祉の歩み方として、そして周南の歩み方として、住民と行政、そして関係機関・団体の協働による福祉活動をすすめていかなければなりません。
地域福祉活動計画は、まさしく福祉活動への住民参加の提案とその条件整備、さらには住民と行政、多様な福祉活動を行う団体等を含めた協働による福祉活動のすすめ方に関する計画であり、その福祉活動の実践によって、家庭や地域の中で、その人らしく安心して生活がおくれる地域社会の実現をめざすものです。そして、地域福祉を推進するために、住民や自治会、福祉活動をする人、サービス提供事業者、社会福祉協議会、市などが協働して、また福祉分野だけでなく保健、医療、生涯学習などの関連分野とも連携を図った上で、共通した方針を持って計画的に活動していくための道標になることを目的としています。
(平成18年度に、各会各層の方々のご意見を集約して第1次計画を策定しました。 ⇒「第1次活動計画」は、こちらからダウンロードできます。) |
| |
|
| ◆ |
地域福祉計画と地域福祉活動計画 |
|
| |
周南市においては、平成23年3月に、地域福祉を総合的かつ計画的に推進するための行政計画、「周南市地域福祉計画」(第2次)がつくられました。
特に今回の「周南市地域福祉計画」(第2次)では、地域福祉を推進する上での住民の役割について、かなり詳細な活動部分にまで踏み込んで提言されており、地域福祉活動計画において具体化が求められる部分が数多くあります。
このことは、住民の活動があってこそ地域福祉が実現されるとの認識であり、換言すれば、自治体の責任として地域福祉を進める上で、住民主体・住民参加を基調として進めていく、公民協働で推進するとの決意の表れと理解できます。
一方、地域福祉活動計画は、まさしく住民主体・住民参加による活動と、その条件整備の計画であり、協働による福祉活動のすすめ方に関する計画です。
市は、「周南市地域福祉計画」で、地域福祉推進のための住民の役割を提案し、そのための支援のあり様を明らかにしました。そして、地域福祉活動計画が、その住民参加による福祉活動の具体的な取り組み、及びその条件整備を促していきます。つまり、この2つの計画が相互に補完・補強し合いながら地域福祉が推進されていくことになります。
市と社会福祉協議会、住民、関係機関などが連携して、こうした協働の地域福祉を構築することが、今日の時代において求められています。今こそ、行政依存を克服する協働型の地域福祉を、しゅうなんに実現させましょう。
|
| |
|
| ◆ |
地域福祉活動計画のテーマ |
|
| |
私たちの国は、急速な経済発展を遂げる一方で、少子高齢化、核家族化、ひとり世帯の増加などを背景として、地縁や血縁といった伝統的なつながりが弱まっていきました。こうした中で、地域での人と人とのつながり、地域への帰属意識が低下し、地域社会の脆弱化が進みました。「無縁社会」、「関係性喪失の時代」と呼ばれる理由がそこにあります。そして実は、今日の福祉課題の多くが、つながりの喪失、社会的孤立といったところから生まれています。
しかし、地域は人々が暮らす場であり、子育てや青少年の育成、防災や防犯、高齢者や障がいのある人の支援、健康づくり、そして人々の社会貢献や自己実現など、さまざまな活動の基本となる場所です。だからこそ、地域住民相互の交流や支え合いに期待するところは、とても大きなものがあります。
2011年(平成23年)3月11日、私たち日本は、未曾有の巨大地震を経験しました。一瞬にして「日常の暮らし」が失われました。2万人に迫る死者・不明者の方々には、衷心より痛惜の念を禁じ得ません。
しかし、多くの方々が、共に声をかけ合い、共に手を取り合って避難され、命を取り留められました。ご近所の人のことを家族と同様に心配する人がいたこと、自分のことを気にかけてくれる人がいたことに気づかれ、普段は意識せずともそこで暮らしている地域の一員であったことを、助かった人の誰もが認識されました。
自分の家族だけでなく、ご近所付き合い、人と人とのつながりも含めて、「日常の暮らし」と言えるのではないでしょうか。そしてそこには、普段は目には見えない、口には出さない大切な「絆」というものが背景にあるようです。しょせん私たち人間は、ひとりきりで生きられるはずはなく、人と人との「絆」の中でこそ「日常の暮らし」が営めることを再認識しました。私たちは、こうした気づきを財産として、後世に残していかなければなりません。
世帯が小規模化し、ライフスタイルが多様化している今日にあって、昔の伝統的な共同体がもっていた強制感・義務感を伴う「地域の掟」といったようなものを当てはめることは、決して適切ではないでしょう。現代を生きる人々の気質や地域の風土に合う、ゆるやかで、しかししなやかな、かつ強固な地域のありようが求められているように思われます。
そうであるなら、まずは、隣近所のふれあい活動から始めていき、おたがいに心と心を通わせ、助け合い、支え合っていくことのできるつながりを、意図的に地域社会の中につくっていくことができないものでしょうか。今日期待されている「新たな支え合い」とは、こうした住民の意図的なつながり合いによる支え合い活動に他ありません。
そして、このつながり合う力が強くなれば、それはいつの日にか強い「絆」となります。そうした強い「絆」の中で、住民と行政、専門機関や各種団体などが協働していくことで、「福祉のまち・周南」を築いていきたいと願うのです。
こうした観点から、地域福祉活動計画の理念を、「つながろう、周南。」とし、この計画のサブタイトルを、「絆プランしゅうなん」と称します。
つながりましょう。周南を、「無縁社会」などと決して呼ばせないために。 |
| |
|
| ◆ |
地域福祉活動計画策定の進め方 |
|
| ◆ |
活動計画を策定するにあたり、さまざまな立場の人たちに一緒に考えていただけるよう、「周南市地域福祉活動計画策定委員会」及び「地域福祉活動計画作業部会」を設置し、協議を重ねました。
@ 地域福祉活動計画策定委員会
〜学識経験者、行政・地域組織・ボランティア団体・福祉事業者・当事者団体の代表者、公募委員など、14人で構成する策定委員会。
A 地域福祉活動計画作業部会
〜地域福祉活動計画策定委員会が提案する事務について、調査研究及び素案づくりをするために、学識経験者、行政・地域組織・ボランティア団体・福祉事業者・当事者団体の代表者、学生、社会福祉協議会職員など、22人で構成する作業部会を設置し、ワークショップ形式による協議を重ね、そこで出た意見をもとに計画原案を作りました。 |
| |
|
| ◆ |
地域福祉活動計画策定の協議状況 |
|
| ◆ |
前述のとおり、今回の「周南市地域福祉計画」(第2次)では、
■基本目標1 ふれあい・支え合いのあるまちづくり
■基本目標2 利用者本位のサービスが受けられるまちづくり
■基本目標3 健やかにいきいきと暮らせるまちづくり
■基本目標4 安心・安全に暮らせるまちづくり
の目標を定め、地域福祉を推進する上での住民の役割について、かなり詳細な活動部分にまで踏み込んで提言されています。
「周南市地域福祉計画」は、周南市の福祉のまちづくりをすすめる上でのマスタープランであることから、まずはこの基本目標を実現するための住民の役割に焦点をあて、その具体的な活動、活動のための条件整備についての提案を展開したいと考えました。
そしてそれとともに、真に住民感覚にあふれた、今後の地域福祉を推進していくために必要な活動に関する提案、
■基本目標5 つながりを実感できるまちづくり
■基本目標6 みんなで協働ができるまちづくり
を加えています。 |
| |
|
| 周南市地域福祉活動計画策定委員会 |